患者さんのオンボーディングを綿密に追跡し管理する
希少疾患の患者さんは急速に進行して末期症状に陥ることが多いため、適格性を満たしたら直ちに治験に参加したいという意欲を持っています。多くの患者さんにとって、治験は患者さんが受ける唯一の治療法であり、その後のフォローアップケアも含まれます。希少疾患の治験は症例数が少ないため、一人ひとりの患者さんのデータがきわめて貴重となります。書類手続き、施設トレーニング、翻訳サービス、治験資材供給などの問題によって、患者さんの登録や治療が滞ることは避けなければなりません。各患者さんが治験にいつ参加できるかを把握することは重要であり、遅延がないようにする必要があります。
パレクセルでは適格性の確認から同意取得、初回治療へとスムーズに進行できるように、各治験における患者さんの「枠」の割り当てを追跡しています。また、施設と連絡を取り合って登録のタイミングを正確に予測しています。さらに患者さんや施設の都合でスケジュール変更が必要になった場合に備えて、常に予備の患者さんを手配しています。こうすることで患者さんの期待を裏切ることなく、治験責任医師が患者さんと交わした治験参加時期の約束を守れるようにしています。
弊社が最近携わったある第I相試験では、最初のコホートに3例の患者枠が用意されていました。最後の3人目の枠を予定していた施設において、治験審査委員会の承認が期限までに得られませんでした。そのため、その枠に予定されていた患者さんを登録することができず、代わりに別の施設の患者さんが登録されました。このケースでは治験責任医師と参加予定だった患者さんの不満を解消し、施設との良好な関係を維持するため、枠の割り当てを見直し、IRBの承認取得後に当該施設を4人目の患者枠に割り当てました。このように書類手続きを期限までに完了すること、および問題が発生したときに迅速に解決できるよう綿密な計画を立てることは、非常に重要です。