CHAPTER 1

ギャップを埋める:臨床研究における人種的、民族的、文化的不均衡に対処するための戦略

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ダイバーシティ レポートに関する議論

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エグゼクティブ サマリー

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多様性についての議論

黒人参加者

8%治験での割合

VS

12.4%母集団の比率

白人参加者

75%治験での割合

VS

61.6%母集団の比率

アジア人参加者

6%治験での割合

VS

6%母集団の比率

ヒスパニック参加者

11%治験での割合

VS

18.7%母集団の比率

適応症による違いもありますが、がん領域の臨床試験では、米国におけるがんの罹患率や死亡率から、黒人やラテン人の臨床試験参加者の割合が一貫して低くなっています。3

科学と社会は臨床試験における多様な参加者の重要性を認識しており、包括的な健康は公正で公平な社会の要です。加えて多様性に欠ける試験集団は、一般集団における潜在的新薬の安全性、有効性、価値を十分に理解する治験責任医師の能力を弱めます。研究集団に持続的に影響を与える問題は複雑であり、機会とアクセスの双方における様々な不公平が関係しています。

今日、製薬業界は健康と健康アウトカムの社会的決定要因をよりよく把握しつつあります。学界、産業界、患者さん、擁護団体、医師、地域社会が率直に議論することで、臨床研究における多様性を効果的に改善する方法についてのインサイトが得られます。

これを実現するためには、多様な人種、民族、文化を持つ患者さんと協力的に関わることに真摯に取り組まなければなりません。そうして初めて、彼らが経験する障壁を理解し、効果的に緩和することができるのです。臨床試験においてダイバーシティとインクルージョンは可能ですが、その成功は私たちの継続的かつ総合的な取り組みにかかっています。

このパレクセルの報告書は、患者さん、一般市民、医師に臨床試験の多様性に関する見解を求めた世界規模の定量的調査、フォーカス グループ セッション、インタビュー、患者諮問委員会の会議の概要をまとめたものです。本調査は研究参加に対する重大な障壁を理解し、それを克服するためのガイダンスを得ることを目的に、共同作業で行われました。この報告書を作成するためには、以下の方法が活用されています。

キーポイント

この報告書は、患者さん、医師、臨床試験参加予定者、現役および元臨床試験参加者を対象に実施した一連の調査の結果です。本調査結果は、臨床試験への参加に対する主な障壁を明らかにする一方、医療と臨床試験へのアクセスにおける不平等に対処するために業界が取るべき具体的な行動を提示しています。

謝辞

この報告書は、臨床試験の多様性に関する様々なトピックに関するインサイトを収集した、一連の調査および患者さん・医師フォーカスグループによるデータから得られた学びとインサイトを組み込んだものです。参加者の皆様には、貴重なお時間を割いていただき、オープンな姿勢と専門的知識を提供していただいたことに感謝いたします。多くは匿名でしたが、匿名でない以下の方々にも謝意を表します。

医師および施設スタッフ フォーカス グループ参加者

  • Dr. Chika Anekwe
    Obesity Medicine Physician, Massachusetts General Hospital; Instructor in Medicine, Harvard Medical School, Boston, MA, USA
  • Minnie Baylor-Henry
    President, B-Henry & Associates, Boston, MA, USA
  • Dr. Sherri-Ann M. Burnett-Bowie
    Assistant Professor of Medicine, Harvard Medical School and Director, Multicultural Affairs, Massachusetts General Hospital, Boston, MA, USA
  • Dr. Jacques Carter
    Assistant Professor of Medicine, Harvard Medical School, Cambridge, MA, USA
  • Wanda McClain
    Former Vice-President, Community Health and Health Equity, Brigham Health, Boston, MA, USA
  • Dr. Shelly McDonald-Pinkett
    Chief Medical Officer, Howard University Hospital, Washington, DC, USA
  • Dr. Oludamilola Olajide
    Hematologist/Oncologist, University of North Carolina REX Healthcare, Chapel Hill, NC, USA
  • Dr. John Otasowie
    Consultant Child and Adolescent Psychiatrist at the Fraser Health Authority Surrey Memorial Hospital, BC, Canada
  • Dr. Kaya Oyejide
    Family Medicine Physician, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA, USA
  • Dr. Fabian Sandoval
    CEO, Emerson Clinical Research Institute, Falls Church, VA, USA
  • Dr. Valerie Stone
    Professor of Medicine, Harvard Medical School; Vice-Chair for Diversity, Equity, and Inclusion at Brigham and Women’s Hospital, Boston, MA, USA
  • Dr. Winfred Williams
    Associate Chief, Division of Nephrology & Transplant; Founding Director for Center for Diversity and Inclusion, Massachusetts General Hospital, Boston, MA, USA
  • Dr. Kathleen Young
    Psychiatrist, New York, NY, USA

患者諮問委員会メンバー

  • Trishna Bharadia
    Health Advocate and Patient Engagement Champion, UK
  • Ivis Febus-Sampayo
    Patient Advocate, Chief Officer of Diversity and Inclusion and Senior Director of Public Outreach at SHARE Cancer Support, USA
  • Sheila Khawaja
    Rare Disease Patient Advocate and World Alliance of Pituitary Organizations Board Member, Italy
  • Malini Raj
    Patient Advocate, Non-Executive Director of the Australian Pituitary Foundation and Board Advisor for the World Alliance of Pituitary Organizations, Australia
  • Alfred Samuels
    Keynote and Public Speaker, Patient Advocate and Author, UK
  • Grace Samuels
    Retired NHS Nurse, Care Quality Commission Specialist Advisor, Patient Caregiver and Advocate, UK
  • Yasmeem Watson
    Research, Patient and Consumer Advocate, USA

パレクセル チーム メンバー

  • Elisa Galvez
    Feasibility Leader
  • Kushal Gohil
    Vice-President, Corporate Strategy and Innovation
  • Nichola Gokool
    Senior Director, Medical Communications
  • Mwango Kashoki
    Vice-President, Regulatory Affairs
  • Andreza Martins
    Project Specialist, Patient Innovation Center
  • Sarah Pilkington
    Associate Director, Patient Innovation Center
  • Rosamund Round
    Vice-President, Patient Innovation Center
  • Baljit Samra
    Corporate Vice-President, Clinical Operations
  • Altair Silva
    Director, Patient Recruitment Strategy Group

本レポートの内容は、調査、フォーカスグループセッション、インタビュー、患者アドバイザリーグループの会合から得られた第三者の意見であり、パレクセルまたはその関連会社の意見や立場を反映するものではありません。

Woodcock J, Anagnostiadis E, Lolic M. Center for Drug Evaluation and Research, U.S. Food & Drug Administration. (2020). 2019 Drug Trials Snapshots Summary Report.

Population Distribution by Race/Ethnicity (2019). https://www.kff.org/other/state-indicator/distribution-by-raceethnicity/. Accessed January 8, 2021.

Loree JM, Anand S, Dasari A, et al. Disparity of race reporting and representation in clinical trials leading to cancer drug approvals from 2008 to 2018. JAMA Oncol. 2019;5(10):e191870.

信頼関係の構築

調査の結果、多くのコミュニティにおいて、特に製薬業界に関連する医療に対して信頼が著しく欠如していることが浮き彫りになりました。プラセボを投与されることに対する患者さんの不安、過去の医療上の負の出来事、一部の人種や民族グループに対する医師の無理解などが、参加者の不信感や懐疑心の原因となっています。

臨床試験に参加する前に、多くのリサーチを行いたいです。有色人種はとても注意深くならなければならないと思います。私は過去に黒人女性がどのように扱われ、同意なしに研究されたかを知っています。個人的には臨床試験に参加することはためらいます。

インタビュー対象者

一般市民

こうした見方は、ある医師の経験にも反映されていました。

臨床研究への参加には信頼関係の構築が不可欠であり、施設職員による患者さんへの参加活動の強化が必要です。

広告によるアウトリーチは、どの調査回答者からも高い評価を得ていませんが、活用する場合の傾向は以下の通りです。

信頼できるインフォメーションソース (メディア)

参加者のインタビューも患者諮問委員会のメンバーも、信頼できる地域社会の支持者と協力して、研究情報や臨床試験教育を共有することが成功に不可欠であると述べています。

私たちは患者さんと生活の場で出会う必要があります。メディカルセンターではなく、コミュニティセンターや地元の理髪店などに行く必要があるかもしれません。コミュニティ アドボケイトと呼ばれるコミュニティに根ざした信頼される人々をトレーニングすれば、驚くほど有意義な会話ができるようになるでしょう。

Yasmeem Watson

患者諮問委員会メンバー

家族の意見も重要視されており、ある医師はこう説明しています。

広告によるアウトリーチは、どの調査回答者からも高い評価を得ていませんが、活用する際の傾向は以下の通りです。

グローバル調査では、医師は臨床試験情報の最も信頼できる情報源とみなされていました。

黒人、ラテン人、アジア人、先住民の回答者 [N = 237]が58%なのに対し、 白人の回答者 [N = 1,945]は69%でした。

キーポイント

信頼できる施設スタッフ、広告チャネル、アドボケイトを通じて臨床研究教育を推進する多面的なアプローチは、より広範な認知、理解に役立ち、研究へのアクセスを改善することが示されました。

患者さんと施設スタッフの関係構築

医師によるフォーカス グループと患者諮問委員会のディスカッションでは、患者さんが同じ人種、民族、文化的背景を持つ施設スタッフに担当されることは、臨床研究の多様性を高める上で非常に重要なことですが、その実現は困難であるとの見解が示されました。

興味深いことに、一般参加者とのインタビューや定量調査の結果では、黒人、ラテン人、アジア人、先住民の参加者の合計が20%であったのに対し、白人の参加者では11%でした。

民族的背景が資格に影響したり、研究の安全性に対する信頼に関係するとは思いません。

インタビュー対象者

一般市民

このような意見の違いの理由については、調査では明らかになりませんでした。おそらく医療交流の経験が豊富な人々が、このことを重要な考慮事項として挙げた結果なのかもしれません。したがってスタッフの多様性がより高い施設と提携することは、一部の人種や民族グループにおける研究参加の現在のギャップを解決するのに役立つ可能性があり、この問題はさらなる調査が必要です。

患者さんが同じような人種、民族、文化的背景を持つ施設のスタッフから治療を受けることが不可能な場合、スタッフが文化的規範の違いを理解し、それに対応することが極めて重要です。 それによって患者さん、介護者、ご家族は安心して治療を受けることができ、信頼関係を築くことができます。

医療界では受け入れられない、あるいは考慮さえされない文化的な違いがあります。時には医療上の決定に関わりたいと願い、家族全員が診察に来ることもあるでしょう。気を配るところが違うだけなのです。

Yasmeem Watson

患者諮問委員会メンバー

キーポイント

本調査では、多くの患者さんが同じ文化的背景を持つ人から治療を受けたいと望んでいました。それが不可能な場合、患者さんの体験を最適化するために、文化的コンピテンシーに関する研修を施設スタッフが受けることが最善でしょう。

研究に対する認識と理解

一般的に臨床研究に対する認識、理解、信頼は研究参加者の間で低く、これは世界共通です。COVID-19のパンデミックの間、臨床研究は詳細な調査が求められました。特に米国では、ウイルス、ワクチン、安全対策に関するメッセージが錯綜したのです。

臨床試験への参加やアンメット メディカル ニーズのある様々な疾患に対する新薬や治療法を見出す上で、臨床試験と研究への注目の高まりは、臨床試験がもたらす潜在的な利益を人々に伝える機会へとつながります。

このような理解は、研究職に就く医師に対するさまざまなコミュニティの認識にも影響を及ぼします。

キーポイント

臨床試験と研究への注目の高まりは、臨床試験への参加募集と、これらの試験がCOVID-19やその他の疾患の新薬や治療法を発見する上で潜在的な利益をもたらすことについて、人々に伝える機会へとつながります。

研究への関与を高める

臨床研究が一般的な病院で働いていない医師にとって、どのように研究に参加すればよいかを知ることも重要な課題です。この障壁を克服するためには、長期的な指導、十分な経済的補償、経験者による初期段階での指導やトレーニングが重要な方法として挙げられています。これはあらゆる背景を持つ医師が臨床研究に参加する割合を増加させることにもつながるでしょう。

トレーニングや教育以上に大切なものがあります。雇用のオファーとスポンサーシップは不可欠です。

Dr. Shelly McDonald Pinkett

医師フォーカスグループ参加者

また病院のインフラも重要であり、製薬業界からの支援を含む資金提供は、継続的な臨床研究の実施に大いに役立ち、成功へとつながる可能性があります。

医療従事者全体から見ると、臨床研究への関与が低いことはよく知られています。その主な理由は、医学部での臨床研究に関するトレーニングの不足と、病院内で臨床研究に触れる機会が少ないことでしょう。患者さんを診るよりも研究を主導する方が報酬が低いことも抑止力となっています。臨床試験や医学研究の重要性を伝える一方で、利用しやすい助成金など収入に関する障壁を取り除く必要性があります。

多様なコミュニティにアクセスするための新たなアプローチについて、既存の施設を訓練するだけでなく、新たな施設や異なる人種や民族的背景を持つ医師を選び提携することによって、施設の多様性を高めることも有意義でしょう。また地域の病院に勤務する医師にアプローチするためには、都心部の大規模教育病院以外の新たな施設にアプローチすることも重要です。すでに地域社会と協力し、彼らをよく知ることで信頼関係を築いている施設は、臨床研究における多様性を大きく向上させるでしょう。


医療従事者が地域社会に関わって、具体的な臨床試験について話したり、参加することの本当の意味や、それが地域社会にもたらす潜在的な利益について、自分の言葉で患者さんに説明することができるのは、とても理想的だと思います。

Dr. Shelly McDonald-Pinkett

医師フォーカスグループ参加者

現実的な障壁

患者諮問委員会および医師のフォーカスグループから得られた定性的な結果では、臨床試験参加者は多くの場合、自分の母国語で情報を受け取る必要があり、他の患者さんと同様、それには専門用語でない簡単な言葉を使用する必要があります。ビデオやインフォグラフィックの使用も、信頼と理解の構築に役立つでしょう。

ある患者さんはこう語ってくれました。

ニューヨークのクイーンズには250の言語があります。すべての病院がそのような翻訳をすべて備えているとは思っていませんが、少なくとも主要な5から10言語を選び、臨床試験に多様性をもたらすことは可能なはずです。確かにコストはかかりますが、その分このコミュニティに価値をもたらし、敬意を示すことができるのです。

Ivis Febus-Sampayo

患者諮問委員会メンバー

キーポイント

臨床試験情報をわかりやすく、適切な言語で提供することは、より良い研究アクセスを促進するために早急にできることです。

経済的な障壁や面会時の託児の準備などの現実的な障壁も、人種や民族に関係なく多くの患者さんにとって試験参加への大きな障害となっています。とはいえ、このような障壁は量的調査において白人参加者よりも、黒人、ラテン人、アジア人、先住民の参加者の方がより高い割合で示されています。必要とされる試験来院回数が最大の障壁として挙げられ、次いで来院期間、交通費および参加費の支払いと続きます。

ある患者さんはこう語ってくれました。

特に少数民族や特定の地域での臨床試験は、身体的にも経済的にも制限のある人々にとって利用しやすいものでなければなりません。現代においても、誰もがインターネットや公共交通機関を利用できるわけではないことを理解すべきです。

インタビュー対象者

一般市民

これらの障壁は患者さんだけでなく、介護者にも影響を及ぼします。介護者はあまり考慮されないことが多いですが、臨床試験を成功させるために極めて重要な存在であり、臨床試験プロセスにおいて信頼できる支持者として貢献しています。

キーポイント

現実的でロジスティックな課題を解消することは、患者グループ全体の研究改善に大きな影響を与える可能性があります。

旅費の払い戻しは、倫理委員会/施設審査委員会に広く受け入れられていますが、必ずしも臨床試験戦略の一部として含まれているわけではありません。同様に患者さんの利便性を重視し、自宅や地域社会で実施する分散型臨床試験(DCT)の人気は高まっていますが、まだ標準的ではありません。

研究内容を改善し、臨床研究における多様性の欠如に適切に対処するためには、上記の両方の戦略が推奨されます。

アフリカ系アメリカ人の女性の中には、子供の世話があるので化学療法に来る時間がない方もいます。医療機関に行く時間もありません。彼女たちは治りたい、癒されたいと願っています。ただ『予約時間に来られないなら他の患者さんを』というだけでは、助けになりません。私たちは問題の背後にあるものを理解し、解決しなければなりません。

Yasmeem Watson

患者諮問委員会メンバー

分散型臨床試験 (DCT)

DCTは研究参加に対する多くの障壁を克服するのに役立ちます。しかし、私たちの経験から患者さんや介護者のニーズや嗜好は、研究ごとに注意深く考慮される必要があります。問題となっている疾患とそれがもたらす日々の課題は、展開されるべき個々の在宅戦略に大きな影響を与えます。とはいえ、定量調査の結果では、DCTオプションの嗜好について回答者グループ間の差はほとんどなく、薬剤配達 (42%)、携帯アプリ (40%)、ウェアラブル (40%)が最も関心の高い選択肢でしたが、同様の割合で通院 (40%)も好まれています。

臨床試験への検討要素

質的調査の中で多くのコミュニティでは、疾患への秘密主義が在宅参加への潜在的な障壁として挙げられました。

多くの人は親戚にもコミュニティにも、疾患のことを話していません。ですから、もし分散型の臨床試験に参加することになれば、そのことが露呈する可能性があります。医療関係者が家に来るのを嫌がる人が多いのは、近所の人に何かあったことが知られてしまうからです。

Trishna Bharadia

患者諮問委員会メンバー

キーポイント

さまざまなコミュニティのニーズを理解し、DCTは柔軟に取り組むべきです。

順応的で柔軟なアプローチによって、患者さんが自宅ではなく、ホテルなどの近隣の場所で診察を受けることにより、プライバシーを保ちつつ研究をより身近なものすることができます。

また参加者によってはWiFiが利用できなかったり、十分なデータプランがなかったりすることも議論され、研究ベースの患者用アプリや遠隔医療訪問に困難をもたらす可能性が指摘されました。これはスポンサーが、デバイスやデータプランを提供することで克服できるでしょう。患者さんや施設スタッフとの事前の会話に基づいて、研究の計画段階に組み込まれるべき事項です。パンデミックは、このようなアプローチが患者さんの管理やエンゲージメントに非常に有益であることを示しており、ある医師は次のように述べています。





制度的・構造的人種差別

医師のフォーカスグループでは、患者さんからは聞かれなかった実際的な考慮事項がいくつか挙げられました。マイノリティの患者さんもマイノリティの医師も、白人と同じように研究に参加する機会を得られていないというのが一般的な感覚であり、この点で競争条件を公平にするためには、社会的・制度的な変革が必要という見解です。

これは患者諮問委員会でも、不信につながる要素として挙げられました。

医師たちは製薬業界における代表者の不足が、臨床研究へのアクセスにおける公平性の障壁であると認識しています。製薬業界が多様性を重視し、より多くの代表を確保するための包括的な広がりを見せ、状況は変わり始めています。

キーポイント

多様なコミュニティへのアクセスを支援するために既存の施設を積極的に関与させ、過小評価されている患者さんを対象とする新たな施設を選択し提携することは、より包括的な臨床研究への重要な一歩となります。

試験の実施可能性

ディスカッションの中で、製薬業界は実績のある同じような施設と提携しがちであることが指摘されました。患者さんの代表、特に黒人コミュニティの代表の不足が続いているため、製薬業界は治験の多様性を高めるために、治験実施施設の選定プロセスをより慎重に行う必要があります。

製薬会社は治験実施可能性調査を確実に更新し、治験実施施設が多様な地域文化を担うということを誇りに思い、このような患者さんを試験に参加させることができるようにする必要があります。

Dr. Fabian Sandoval

医師フォーカスグループ参加者

医師たちからは、製薬業界は歴史的に患者集団やスタッフの多様性について、不快感を与えることを恐れて率直に話したがらないという意見も寄せられました。これが解決されなければ、臨床研究における包括的実践に向けた進展が制限される可能性があります。

黒人や南アジア人の参加者からは、疾患に関する秘密主義が報告され、それによって患者さんやご家族がどのように治療を求めるかや、臨床研究への参加に影響を与える可能性があるとの意見がありました。





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アラート

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