新しい医療、革新的インサイト：希少疾患用医薬品開発の推進

希少疾患用医薬品の上市の迅速化

希少疾患の新たな治療法は、数千人の患者さんとその家族に希望を与えています。希少疾患用医薬品の上市の迅速化は、すべてのバイオ医薬品企業、そして Parexel の目標です。しかし、患者さんと介護者の視点から病気を十分に理解して初めて、薬の開発プロセスにおける迅速化や効率化に価値が生まれます。この報告書では、患者さんの治療経過に関連する多くのプロセスの中で、企業が患者中心主義を最大限取り入れるためのベストプラクティスを共有します。

もちろん言うのは簡単ですが、実践するのは簡単ではありません。医薬品開発の分野で患者中心主義という概念が登場してから 10 年以上経過しましたが、サービスを利用する消費者に焦点を当てた製品開発という観点から言えば、製薬業界は他のセクターに大きく遅れをとっています。

なぜ多くの企業は、治験デザインと評価項目を選択する前に、患者さんとのエンゲージメントを効果的に高めることができないのでしょうか？1つの理由は、複数のステークホルダーが異なる ( 場合によっては対立する ) 優先順位を持っているためです。希少疾患を理解し、その進行過程を把握するには、時間と資金が必要です。その一方で、 多くの企業が患者さんとのコミュニケーションを困難と感じており、直接的な協力により法的な問 題や倫理的な問題が生じる可能性を懸念しています。

個々のステークホルダーは、たとえ幼い子供であっても、患者さんの生活の質が向上した徴候を認識することができます。しかし、集団として生活の質が向上したことを示す方法を知りません。 また、企業の商業的な医薬品製造には技術基準へ の準拠が不可欠であるのに対し、医薬品が患者さ んのニーズに必ずしも対処していないことはあまり問題となりません。これらの理由から、開発の最も初期の段階から患者さんを中心に据えて考えることは、現実に即した意味を持ちます。