インサイトを生み出す規制当局への申請資料:AIが私たちの業務の価値をさらに高める方法
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By Katie Connelly, Senior Vice President, Global Head of Regulatory Affairs
公開日:2026年7月15日
規制当局への申請資料の作成には、これまで多くの手作業による調整が必要とされてきました。レギュラトリー担当者は、複数のデータソースや文書作成ワークフローから情報を収集し、申請資料の作成、レビュー、修正を繰り返しながら完成へと導きます。しかし、こうした情報は異なるシステムに分散していたり、連携の取れていないレビューサイクルを経たりすることが少なくありません。AIを活用した自動化を適切に取り入れることで、文書作成を迅速化し、ドシエ全体の一貫性を高め、必要とする患者さんへ重要な医薬品をより早く届けることが可能になります。
その可能性は、単なる効率化にとどまりません。レギュラトリー部門が管理する情報をより適切に整理し、連携や分析ができるようになれば、申請資料は単なる提出物ではなく、将来の業務に活用できる資産となります。それによりレギュラトリー担当者は、開発戦略の策定、リスクの予測、そして開発プログラム全体を通じた適切な意思決定を支えるための強固な基盤を得ることができます。
連携された申請資料の構築
申請資料は単なる文書の集合ではありません。そこには製品ライフサイクル全体を通じて積み重ねられた意思決定、データ、戦略、前提条件、そして規制上の根拠が反映されています。しかし、それらの情報がシステム、チーム、テンプレート、業務の引き継ぎなどに分散していると、チーム間で情報の連続性が失われ、AIも十分な関連情報を活用できなくなります。
この課題に対応するには、申請資料をより緊密につなぐ環境が必要です。AIによって申請資料の作成を効果的に迅速化・改善するためには、まず標準化された基盤を整備する必要があります。パレクセルの経験では、これには以下が含まれます。
- すべてのチームが実施されている業務を理解し、協働して参加できるように統一されたグローバルプロセスを導入
- 人間とAIの双方が容易にアクセスできる形でコンテンツを構造化
- 調整されたエンドツーエンドの実行を実現するための、再現可能なワークフローの構築
こうした基盤を整えることでAIを活用したツールは、単に新たなテクノロジーを追加するのではなく、申請プロセスそのものを強化できます。チームは共通の情報基盤をもとに業務を進め、コンテンツをより効果的に再利用し、実際の業務上の課題を解決するためにAIを活用できるようになります。
申請資料の処理から意思決定の形成へ
標準化と自動化によって、申請資料の作成はより迅速かつ一貫性のあるものにできます。しかし、より大きな可能性は、申請資料の作成を超えたところにあります。レギュラトリー関連のコンテンツが適切に整理され、再利用できるようになれば、チームは複数の開発プログラム、市場、治療領域、さらには開発ライフサイクル全体にわたって、そこから知見を得られるようになります。
このモデルでは、申請資料はもはや数ヵ月に及ぶ作業の単なる最終成果物にとどまりません。規制上の意思決定を導くために活用できる文書となります。例えば、相互につながった申請資料のコンテンツを活用することで、規制当局にいつ相談すべきか、どこに追加のエビデンスが必要となる可能性があるか、どの市場で個別の戦略が必要となるか、そして申請にリスクが生じる前にどのような是正対応を優先すべきかを判断するのに役立ちます。
さらに、リスクをより早期に特定し、スケジュールの予測可能性を高め、変化し続ける規制環境により効果的に対応することも可能になります。これにより、レギュラトリー部門の役割は、実務的な申請業務の遂行から、意思決定を戦略的に方向付ける役割へと変化していきます。
AIの活用を通じて人間の専門知識を強化
AIは人間の専門知識に取って代わるものではありません。AIを活用した申請資料の作成においても、主導するのはレギュラトリー担当者です。レギュラトリー担当者は、業務の正確性と適切性を確保し、規制当局の期待に沿ったものに必要な、科学的・規制的な背景知識、解釈、判断、そして説明責任を担います。一方、AIはこれまで手作業で多くの時間を要していた業務に、スピードと一貫性をもたらします。
パレクセルではレギュラトリーの専門家が戦略を策定し、論理構成を組み立てるとともに、AIが生成するアウトプットの指針となるテンプレートを設計しています。ParexelAI™とWeave Bio社とのパートナーシップを通じて、ソースデータとドシエの対応付け、情報の抽出・分類、ドラフトの作成と修正、コンテンツの書式設定、そのほかの反復可能な作業を実行しています。例えばAIは、構造化されたソースデータから初稿を作成し、コンテンツの不足や不整合を検出して、ドシエ間で再利用できる情報を提案するとともに、書式設定や品質チェックを支援できます。一方、レギュラトリーの専門家は、前提となる考え方を検証し、論理構成を練り上げ、曖昧な点を解消するとともに、最終的な申請資料に対する説明責任を担います。
これは人による管理が減るということではありません。むしろ、人による管理をより適切なものにすることが可能になります。 AIを活用したソリューションがより多くの反復作業を担うことで、レギュラトリー担当者は、専門知識や判断力を必要とする業務により多くの時間を充てられるようになります。
その成果は明確です。ParexelAIとWeaveとの連携により、治験薬のIND (Investigational New Drug)およびNDA (New Drug Application)の申請資料の作成期間を60%短縮しながら、手作業で作成されたドシエと同等の品質基準を維持しています。
今後の取り組み
規制申請業務へのAI導入を検討している場合は、まず小さな範囲から始めることが重要です。価値の高い手作業のプロセスを特定し、AIを導入する前にそのプロセスを標準化します。例えば、構造化されたソースデータから初稿を作成する、関連文書間の一貫性を確認する、コンテンツの不足を特定する、承認済みの文言の再利用を支援する、書式設定や品質チェックを自動化するといった活用方法があります。
AIの活用範囲が広がるにつれて、目指すべきなのは、計画立案から申請までのレギュラトリーライフサイクル全体を通じて、データ、コンテンツ、ワークフローを相互につなぐことです。それによりレギュラトリー部門は、より幅広いコンテンツの再利用、インサイトの創出、意思決定を可能にするための基盤を構築できます。
詳しくは、パレクセルとWeaveがDIA Global 2026で共同講演した「The Connected Submission: How AI, automation & intelligence are changing regulatory」をご覧ください。
ドシエ作成におけるAIの役割を検討されている場合は、業界全体で見られるアプローチや活用機会、検討すべき事項について、ぜひパレクセルにご相談ください。いつでもご相談に応じます。
